東京大学(東大)は9月16日、平衡・非平衡の化学反応システムを統一的に扱う新規理論として、多くの物理理論が、距離や角度が自然に備わるリーマン幾何学的な空間を基礎とするのに対し、化学反応システムでは「ヘッセ幾何」という、角度などが自然には備わらない幾何構造が化学反応システムの平衡的・非平衡的性質のそれぞれで本質であることを明らかにし、その幾何学構造を用いて平衡・非平衡の両面を統一的に捉えることに成功し、反応システムの動作に付随して発生するエントロピーを腑分けして特徴付ける方法を提案したことを発表した。 同成果は、東大 生産技術研究所(東大生研)の小林徹也准教授、同・Dimitri Loutchko特任研究員、同・上村淳特任助教、同・杉山友規特任助教らの研究チームによるもの。詳細は2本の論文にまとめられ、どちらも「Physical Review Research」に掲載された(論文1、論文2)