天皇陛下はパラオ共和国訪問にあたり、羽田空港でお言葉を述べられた。 ◇ 本年は戦後七十年に当たります。先の戦争では、太平洋の各地においても激しい戦闘が行われ、数知れぬ人命が失われました。祖国を守るべく戦地に赴き、帰らぬ身となった人々のことが深く偲(しの)ばれます。 私どもはこの節目の年に当たり、戦陣に倒れた幾多の人々の上を思いつつ、パラオ共和国を訪問いたします。 パラオ共和国は、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国と共に、第一次世界大戦まではドイツの植民地でしたが、戦後、ヴェルサイユ条約及び国際連盟の決定により、我が国の委任統治の下に置かれました。そしてパラオには南洋庁が置かれ、我が国から多くの人々が移住し、昭和十年頃には、島民の数より多い五万人を超える人々が、これらの島々に住むようになりました。 終戦の前年には、これらの地域で激しい戦闘が行われ、幾つもの島で日本軍が玉砕しました。この度