東京・渋谷駅前の忠犬ハチ公像の足元に猫がたびたび現れている。若者や外国人観光客らはスマートフォンやデジタルカメラを向けてぱちり。当の猫は人慣れした様子で大あくび。なぜ、そこに? 若者らでごった返す10月下旬。外国人観光客らが一斉にハチ公像にカメラを向けている。お目当てはガイドブックにも載っている忠犬の銅像と、その前脚の間でくつろぐ猫だ。 兵庫県加東市から訪れ、待ち合わせ中だった井沢潔さん(76)は「国際交流にいいかもしれないね」。ハチ公前広場にある青ガエル観光案内所の女性係員は同じ猫を何度も見るという。 しばらくすると、黒いTシャツ姿の男性が猫に近づき、首の後ろに乗せた。大勢の視線を受けながら地下鉄駅のほうへ向かう男性を追いかけ、聞いた。飼い主ですか? 「はい」 埼玉県所沢市に住むという男性。「街の人々の癒やしになってほしい。ネットに写真を載せてくれたら、外国人が日本に行ってみたいと思って