ユタ州のフィッシュレイク国立森林公園内で数千年もの間、生きながらえてきた世界最大の生命体が、危機に瀕している。 その生命体とは「パンド」と呼ばれるアスペン(ヤマナラシ)の森林だ。コロラド州を訪れたことがある人なら、アスペンを見たことがあるだろう。秋には葉が鮮やかな黄色に変わり、風が吹くと葉が鳴ることで有名だ。 アスペンは1つの根系から遺伝子が同一の新芽が生まれ、無性生殖で増えていくという特徴がある。そのため単一の根系で広大な土地に広がる特徴がある。 その典型がユタ州リッチフィールドにあるパンド(アスペンの森)で、単一の雄株から数千年をかけて4万7000本のクローンが誕生し、広さは106エーカー(約43万平方メートル)にも及んでいる。 ユタ州立大学が学術誌「PLOS ONE」に発表した論文によると、このパンドは数十年前から面積が小さくなり、枯れるペースが生まれるペースを上回っている。研究チー