たばこの煙に含まれる化学物質に反応し、目やのどの痛み、発疹などの症状が出る「受動喫煙症」。重症になると服に付いたわずかなたばこの臭いでも激しい症状を引き起こし、日常生活に支障が出るケースもある。日本禁煙学会(東京)は診断基準をつくって注意を呼び掛け、屋内禁煙など対策の徹底を訴える。 (河野紀子) 「頭痛や吐き気がひどく、息苦しさもあった。近くにたばこを吸う人がいると必ず症状が出た」。昨秋、受動喫煙症と診断された愛知県の無職男性(30)は振り返る。 昨夏に転職した携帯電話販売業の店舗に喫煙所がなく、休憩室で同僚たちの煙にさらされた。一週間で症状が出始め、悪化。煙はなくても、喫煙者の息やたばこの臭いが付いた服に反応し、息苦しくて倒れ、救急搬送されたこともあった。