理化学研究所(理研)の理研基幹研究所 巨視的量子コヒーレンス研究チームとNEC量子計算チームは、巨大な人工原子となる超伝導量子ビットと、マイクロ波が通過する伝送線(導波路)を強く結合させて、固体電子素子上で新たな量子光学デバイスを実現したことを明らかにした。 研究グループでは、超伝導回路で構成した直径約1μmの巨大な1つの人工原子を、マイクロ波の伝送線に直接結合させた固体電子素子を準備。人工原子には、Al薄膜を用いてジョセフソン接合回路で構成する超伝導磁束量子ビットを、伝送線には、直径20μm程度のAu薄膜製のコプレナー型導波路を使用した。 超伝導人工原子を用いた新規量子光学デバイス。超伝導磁束量子ビット(赤矢印)をコプレナー型導波路(Au薄膜でできている黄色部分)中に設置している。量子ビットである人工原子(拡大図)はAl薄膜で構成しており、超伝導ループにジョセフソン接合を4つ挿入している