いまからでも決して遅くない 「情熱大陸」というTBSテレビ系の全国ネット番組がある。ちょっと変わったことに情熱を傾けている人を追うこの人気番組に、私も2015年11月に出させていただいた。 そのなかで、私が京大生に説教している場面が映し出された。激烈な入試を突破した彼らは、しかし、受験科目以外のことはほとんど何も知らない。たとえば、「近頃こんなに地震が多いのはなぜか?」という質問に答えられないのだ。 実は、ここには深いワケがある。現在、日本の高校生の大部分は「地学」を学んでいない。かつての高校理科では、物理・化学・生物・地学が全生徒の必修科目だった。よって、地震や噴火や気象災害に関する最低限の知識は、誰もが持っていた。 ところが、多くの大学の受験科目から地学が外されてから、地学を開講しない高校が次第に増えてきた。その結果、地学のリテラシー(読み書き能力)は中学生のレベルで止まったまま、とい
![なぜ京大生は「最近地震が多い理由」を答えられなくなったのか?(鎌田 浩毅)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/39c88e480bd0efbafa4f869eac4004370a5fd5fb/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fe%2Fe%2F1200m%2Fimg_ee4ea8f684fc3f579a5464f4b66998e5263884.jpg)