<概要> プルトニウムには質量数が232から246までの多数の同位体が知られており、そのすべてが放射性である。同位体の中には239Puのように核分裂を起こしやすいものが多く、またアルファ線を放出するα放射体であることが多い。239Puは、物理的半減期が24,100年と長く、人体内での生物学的半減期も骨からのそれが50年に近いなど他の元素に比し長い。また、アルファ線は生物効果が大きいこともあって、プルトニウムの毒性は高いといえる。これらのことにより、プルトニウムの取扱いについては、内部被ばくを防止するため、細心の注意をもって行われている。 <更新年月> 2007年10月 <本文> 1.プルトニウムの物理的性質 プルトニウムは、原子炉内で主として238Uの中性子捕獲によって生成され、さらに次々と同位体が生成されてゆくが、その中で放射線管理上問題となる同位体は、236Pu、238Pu、239Pu