影のような複数の“彗星”が超大質量ブラックホールの“口”の近くを周回していることが最新の研究でわかった。 ヨーロッパとアメリカの合同研究チームは最近、日本のX線天文衛星「すざく」を利用して、太陽の1000倍の質量を持つブラックホールからの放射線を分析した。この巨大ブラックホールは、地球から5600万光年離れた渦巻銀河NGC 1365の中心部に位置している。 この観測の際に、「すざく」とこのブラックホールとの位置関係が幸いして、彗星のような形をした奇妙な雲が秒速数千キロという猛烈な速度でブラックホールに近い軌道を周回しているのを発見できた。 「太陽系の彗星が氷でできていて山ほどの大きさであるのと異なり、今回観測された“彗星”は恒星ほどの大きさがあり、超高温のガスでできている。これは、ブラックホールによって引きちぎられた恒星の残骸だ」と、研究の共著者でイギリスにあるキール大学のジェームズ