広告 ※ 表紙の亜梨沙の服装。本文中では「すばやく着替えをすませ」(167ページ)たあとなので、「ズボン」(147ページ)です。 『それでも人のつもりかな』を読んで 神奈川 花子 『それでも人のつもりかな』は、安っぽい子ども向けの本だ。しかし、ブンガク面した奴らに、私たちの何が分かるというのだろう。いかめしいハードカバーの文学全集のなかに、今の、この、私たちに向き合う何があるというのだろう。 私たちは安っぽい生を生きている。私が毎日を過ごしているのは、百円ショップのプラスチックとファーストフードのゴミくずに埋もれた、病的にカラフルな部屋のなかだ。自分で最後にりんごの(本物のりんごの!)皮を剥いたのはいつのことだろう。アップルパイの包み紙はそこらじゅうに散らかっているのに。 娯楽だって、安っぽいのが良いのだ。いや、むしろ、安っぽいからこそ娯楽なのだ。 『それでも人のつもりかな』は、ケータイ小