デジタル時代の研究コミュニケーションを検討する国際会議FORCE11のワーキンググループから、「将来の学術情報流通交渉における研究者の権利宣言」が発表されました。これは、大学などが商業出版社と交渉する際の方針を明確にするための雛形となっており、学内の合意形成および、出版社への条件提示として利用できます。10の条項からなりますが、個々の大学やその他の交渉主体の事情に応じて改変、縮小、拡張が自由にできるようになっています。 この雛形は研究者のニーズ、つまり、学術を伸長させることを中心に据え、作成されたことに特徴があります。研究者は一般に、学術雑誌の契約交渉の場にはいないこともあり、そのニーズはこれまで、出版社との契約交渉において、限定的にしか反映されませんでした。しかし、学術雑誌は本質的に、研究活動をする際に利用されるので、その利用にあたっては本来、学術上のニーズが最大限反映される必要がありま
