6周目が終わろうとしている。 1年生を「2周」で終え、3巻で2年生に進級すると、以後はひたすら2年生をループする形で描かれている『ゆゆ式』の、6度目の2年生が終わろうとしている。 今月9日発売のまんがタイムきららに「2月」を描いた回が掲載され、残るは3月だけ。再来月号からは2年生の4月へと時間が巻き戻り、7周目の2年生が始まる(3年生に進級する可能性もゼロではないが……)。 とはいえその「ループ」は、あくまで読者の主観時間による擬似的なものに過ぎない。ゆずこたちはループなどしていない。一度しかない、過ぎ去ればニ度と戻れない高校2年生を過ごしている。 作者の三上小又先生がその唯一の一年間を、現実の時間軸に合わせて適時抽出し、読者はそのエッセンスを摂取する。いわゆるサザエさん時空とは異なり、観測の仕方によってループのように見えるだけ。それが『ゆゆ式』という作品だ。 そのように幾度も幾度も繰り返