喜びに浸りながらこのセットを愛でている人々を、さらなる狂喜へと誘ったニュースがほどなく届けられた。それは、BISが発掘した伝説の〈バイロイトの第9〉、しかもスウェーデン放送に所蔵されていた、アナウンスも含めた完全録音の復刻であった。 不滅の名盤の完全版が記録されたテープ 1951年7月29日、フルトヴェングラーは戦後最初に再開された〈バイロイト音楽祭〉の開幕式でベートーヴェンの“交響曲第9番「合唱」”を振った。この時の演奏はEMIによって収録され、フルトヴェングラーの亡くなった翌年(1955年)、初めてLP化された。以来、この第9は今なお不滅の名盤として世界中で広く聴かれている。 一方で7月29日当日、この第9はラジオで生中継され、その時のテープが残されているという情報が広まっていった。EMI音源と同じものであるはずなのに、なぜファンは聴きたいと願うのか? それは、この放送用の録音こそ、全
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