ブックマーク / newsweekjapan.jp (10)

  • 日本が「本物の格差社会」になるのはこれからだ

    民主党が野党だったころ、「小泉改革のおかげで日は格差社会になった」と自民党政権を批判するキャンペーンを張っていたが、最近はいわなくなった。民主党政権になっても、格差は縮小しないからだ。もともと所得格差の指標としてよく使われる「ジニ係数」でみると、日はOECD(経済協力開発機構)諸国の平均より少し高い(格差が大きい)程度だ。見かけ上の所得格差が広がっている最大の原因は、高齢化による引退である。 しかし世界的には、所得格差は拡大する傾向がみられる。特に英語圏では高額所得者の独占度が高まり、たとえばアメリカでは所得上位0.1%の高額所得者の所得総額は、1970年代までは全所得の2%程度だったが、2000年には7%を超えている。これに対して日の独占度は、この30年間ずっと2%で、ほとんど変わらない。他方、所得格差の拡大した国ほど成長率の高まる傾向がみられ、この点でも英語圏が最高で日は最低で

    日本が「本物の格差社会」になるのはこれからだ
    KnightLiberty
    KnightLiberty 2010/04/13
    現在の非効率な福祉システムを改め、年齢・地域・雇用形態・性別などに依存しないで低所得者を税で支援する「負の所得税」のような福祉システムが望ましい。
  • 「モデル国家」スイスの終焉 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    難民も秘密資金もオープンに受け入れ、冷戦終結のきっかけを提供した中立国──そんなスイスのイメージが急落している 「500年間の民主主義と平和は何を生み出した?鳩時計さ」。映画『第三の男』で、オーソン・ウェルズはそう言ってスイスを嘲笑する。 もちろん実際は違う。20世紀のスイスは熟練した労働力と充実した道路・鉄道網を擁し、極めて効率的な経済と社会を築いていた。 同時にこのアルプスの小国は、もっと深遠な価値観を象徴していた。スイスではさまざまな民族と言語と宗教、農民と銀行家と技術者が独自の形で融合し、ほかの国なら分裂につながる要素を比較的うまく調和させていた。 世界経済フォーラムの年次総会がダボスで開催されるのは偶然ではない。スイスは長い間、グローバル化の推進派にとってモデル国家の役割を果たしてきた。 スイスという国は、経済面では規制を撤廃して税金を低く抑える一方、政治面では法の統治に基づく活

  • クルーグマン、中国に宣戦布告

    長年くすぶってきた米中通貨摩擦が、開戦前夜の様相を呈してきた。米上院では16日、超党派の議員が為替操作で世界の景気回復を妨げる中国に対抗関税をかける法案を提出。24日には下院でも中国の為替政策を巡る公聴会が開かれる。当面の焦点は4月15日に財務省が発表する報告書。ここで中国が「為替操作国」に認定されれば、政府は中国と交渉する義務を負うことになる。 そんな中、ノーベル賞経済学者でプリンストン大学教授のポール・クルーグマンがニューヨーク・タイムズ紙の連載コラムでぎょっとするような「対中主戦論」をぶち上げた。要約すると次のような内容だ。 中国は人為的に人民元相場を低く固定して世界経済の足を引っ張っている。アメリカはこれまで中国との正面対決は避けて丁重に説得してきたが、もし中国に米国債を売られたとしてもアメリカは大して困らない。だから、心置きなく実力行使に出るべきだ。具体的には、中国製品に25%の

  • 「郵政国有化」で空中分解する鳩山政権 | | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    もはや政権末期の様相を呈してきた鳩山内閣だが、24日に亀井金融担当相と原口総務相の発表した「郵政改革法案」には唖然とした。これはゆうちょ銀行の貯金受け入れ限度額を2000万円に引き上げようというものだ。郵政選挙のとき、次のように主張したのは誰だったのか。 現在の郵便貯金の預け入れ限度額は1000万円です。ご存知の方も多いと思いますが、昭和63年から平成3年にかけて、預け入れ限度額が立て続けに300万円から、500万円、700万円、1000万円と引き上げられました。どうしてでしょうか。それは、政府に渡すお金の量を増やすためだったと言っても過言ではありません。 だからこそ、その預け入れ限度額を元通りに引き下げれば、郵貯・簡保に集まるお金は確実に減り、政府にわたすお金の量も確実に、しかも間違いなく少なくなります。これが民主党の基的な考え方です。 これは2005年9月1日付の民主党メールマガジン

  • ネオコンに成り下がったクルーグマン

    ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマンは、どうやら新保守主義者(ネオコン)と運命を共にするらしい。厄介な国際問題に直面すると国際機関の役割を軽視し、けんか腰の単独主義を取りたがるあのネオコンだ。 14日付けのニューヨークタイムズ紙に掲載されたクルーグマンのコラムは、またも中国の為替操作に関するものだった。世界経済における中国の影響力は一般に思われているよりも小さいと述べたうえで、コラムをこう締めくくっている。 1971年にアメリカが同様の(今の中国ほどひどくはないが)ドル高に直面したときは、外国からの輸入品に10%の輸入課徴金を賦課して対応した。この課徴金は、ドイツや日などの国々が対ドル為替レートを切り上げる通貨調整を実施したことで数カ月後に撤廃された。現時点で、同様の通貨調整を受ける脅威がなければ中国が通貨政策を変えることは考えにくい。ただし今回の場合、課徴金は25%程度になるだろう

  • ドイツはギリシャの財布じゃない

    非難合戦 ギリシャの財政危機をめぐり、会談を行ったメルケル独首相とギリシャのパパンドレウ首相(3月5日、ベルリン) Thomas Peter-Reuters 「島を売れ、破産者ギリシャ人め。アクロポリスも売ってしまえ!」 ──2010年3月4日付け、ドイツ最大の大衆紙「ビルト」の見出しより。 この手のタブロイド紙の編集者は、多少正確でなくても話の核心だけ抜き出して見出しを付けることがある。上記ビルト紙の見出しはアンゲラ・メルケル独首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)のヨゼフ・シュラーマン議員の言葉を引用しているが、実際のコメントはこうだった。「破産した者は持ち物すべてを金に換えて、債権者に返還しなければならない......ギリシャは借金返済に使えそうなビルや企業、数々の無人島を所有している」 しかし彼が意味するところは、ビルト紙の見出しの方が正確に伝えているようだ。つまり、ドイツ人はヨー

  • 子ども手当に「乗数効果」はあるか

    1月26日の参議院予算委員会で「乗数効果」をめぐって珍問答が展開された。自民党の林芳正氏(元財政金融担当相)が「子ども手当の乗数効果はいくらか」と質問したのに対して、菅直人財務相は「子ども手当の効果は1以下だが、子育てで働けない人が働けるとか少子化が防げるとか・・・」などと意味不明な答弁をし、長厚生労働相も仙谷国家戦略担当相も答えられなかった。乗数効果は、高校の「現代社会」でも学ぶきわめて初歩的な経済理論である。経済閣僚が高校生以下の学力で、日は大丈夫なのだろうか。 乗数効果は財政支出の波及効果を示すもので、限界消費性向(所得に対する消費の割合)が菅氏のいうように0.7だとすると、子ども手当の乗数効果は0.7/(1-0.7)=2.3となるはずだ(計算は上にリンクを張ったブログ記事参照)。ところが長氏によると、子ども手当はGDP(国内総生産)を「0.2%押し上げる」という。これは1兆円

    子ども手当に「乗数効果」はあるか
  • 補正予算という麻薬

    鳩山内閣は「ハネムーンの100日」も終わらないのに、迷走を重ねて政権末期の様相を呈してきた。8日、閣議決定された緊急経済対策は7.2兆円と、せっかく削った麻生政権の補正予算2.7兆円と行政刷新会議の事業仕分けで浮いた1.6兆円を帳消しにしてしまった。自民党の大島幹事長が「また補正をやるなら、何のためにわれわれの補正を削ったのか」と批判したのは当然だ。出てきた予算の中身は、4月に出された麻生内閣の補正予算とほとんど変わらないからだ。自民党の補正予算はこういうものだった: ■生活者支援:雇用調整助成金、子育て支援など ■金融対策:中小企業等資金繰り、住宅・土地金融など ■環境対策:エコポイント、省エネ住宅など ■地方の活性化:地方交付税の増額など これに対して民主党の今回の補正予算は次のとおり: ■雇用:雇用調整助成金、新卒対策など ■景気:中小企業向け金融対策、住宅金融の拡大など ■環境:エ

    補正予算という麻薬
  • 「租税競争」に日本は生き残れるか | エコノMIX異論正論 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    経済危機が一段落した今、先進国と新興国の新たな闘いが始まっている。先日、ある総合商社の幹部から「いま日のメーカーは徹底的なコストダウンのために格的な生産拠点の移転を考えている」という話を聞いた。請負契約が規制され、派遣規制が強化されて労働コストが上がり、他方で韓国台湾から「法人税を1年間免除するから工場を移転しないか」といった誘いが増えているという。東芝やシャープなどが生産拠点を海外に移し、サンスターは社をスイスに移した。 上の図は、アジア諸国の法人税を比較したものだが、税率は年々下がっており、日の税率はアジア平均の2倍近い。これはあくまでも法人税だけを比較したもので、社会保険料などの負担を考えると日企業の負担は50%を超え、他方で中国韓国などは企業誘致のために法人税を10%台に減免するなどの措置をとっている。企業が生産拠点を海外に移す重要な要因が、この租税競争なのだ。 OE

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  • 市場万能説に代わる新理論AMHとは?

    かつて、市場は全知全能だと思われていた時代があったのをご記憶だろうか? 金融危機が起きる前、経済学の世界で30年以上にわたって幅を利かせていたのは「効率的市場仮説(EMH)」だった。これは市場は入手可能なすべての情報を反映しており、投資家は理性的で市場価格は安定しているという理論。素人ならこれが穴だらけの理論であることにすぐ気付くはずだが、専門家の間では自明の理として扱われていた。 「経済の専門家はみんな道に迷ってしまった」と、ノーベル経済学賞受賞者でプリンストン大学教授のポール・クルーグマンは言った。原因の一端はEMHそのものにある。EMHは、経済学者が真実をなおざりにして、エレガントで数値化可能な「理論」を選んだ好例だ。この理論を基に、金融機関は市場の動きを「予言」するコンピュータープログラムを作成。これを使って作られた金融商品が世界経済の崩壊を招いてようやく、EMHの欠点に人々は気付

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