「無限の猿定理」とは、無限の時間があれば、キーボードをランダムに叩く猿が、シェイクスピアの全作品など、どんな文章でも偶然に打ち出せるという思考実験をいう。有限の長さのテキストにおいて、ランダムな入力でも、無限の時間があれば目的のテキストが必ず出現するという数学的な確率の考え方である。 研究チームは、この「無限の猿の定理」を現実的な条件下(有限の時間と有限の個体数の猿で確率計算)で検証することにした。 現在地球上に生息する約20万頭のチンパンジーを対象に、英語のアルファベットと一般的な句読点を含む30個のキーを持つキーボードを使用すると仮定し、各個体が1秒間に1文字をタイプするという条件で計算を行った。また、宇宙の寿命を10^100年と想定し、数学的分析を実施した。 研究結果は、次のようになった。 例えば、チンパンジーが「Bananas」という簡単な単語を偶然に書き上げるには、約2.2×10