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2009年1月27日のブックマーク (13件)

  • サキ コレクション vol.4

    レディ・カーロッタは街道沿いの小さな駅に降り立って、なんの変哲もないホームを行ったり来たりしながら、汽車が機嫌を直して動き出すまでの暇つぶしをしていた。すると、向こうの街道で、馬が相当量を遙かに超えた、山のような積荷を相手に格闘しているではないか。御者は、と見ると、日々のたつきの手助けをしてくれている生き物に、憎悪を抱く手合いのようである。レディ・カーロッタは即座に街道へおもむくと、格闘の形勢を一変させた。 知人のなかには、虐待された動物になりかわって口出しするなんてとんでもない、と口うるさくお説教を始める輩もいる。「あなたには何の関係もないないんですからね」というわけである。確かに一度だけは、レディ・カーロッタも言われたとおりの不干渉主義を実践した。それは不干渉主義者のなかでもひときわ雄弁な人物が、イノシシに追いかけられて、とげだらけのサンザシの小さな繁みに三時間近く籠城する羽目になった

    Kochel
    Kochel 2009/01/27
    http://f59.aaa.livedoor.jp/~walkinon/translation.htmlの個人的翻訳より/『シャルツ=メッテルクルーメ式教授法』『平和的なおもちゃ』『ビザンチン風オムレツ』
  • サキ コレクション vol.3

    Kochel
    Kochel 2009/01/27
    http://f59.aaa.livedoor.jp/~walkinon/translation.htmlの個人的翻訳より/『ラプロシュカの魂』『マルメロの木』『毛皮』
  • サキ コレクション vol.2

    ある暑い日の昼下がり、汽車の客室のなかも蒸し暑く、つぎの停車駅テンプルクームに着くまでは一時間ほどあった。客室には小さな女の子と、それよりさらに小さな女の子、それと小さな男の子がいる。子供たちの伯母さんが隅の席を陣取り、反対側の隅には、彼らとは赤の他人の独り者の男が腰を下ろしていたが、わがもの顔で客室を占領していたのは、女の子ふたりと男の子だった。伯母さんといい子供たちといい、くちゃくちゃと延々しゃべり続け、追えども寄ってくる、こうるさいハエのようである。伯母さんが口にするのは「だめよ」で始まるせりふ、子供たちのほうは「どうして」で始まるせりふと決まっているらしい。独身男はひとこともことばを発しなかった。 「だめよ、シリル、だめですよ」伯母さんが金切り声を出す。男の子が座席のクッションを叩きだしたのである。一撃ごとに埃がもうもうと立ち上り、雲を作っていた。 「こっちへきて窓の外を見てごらん

    Kochel
    Kochel 2009/01/27
    http://f59.aaa.livedoor.jp/~walkinon/translation.htmlの個人的翻訳より/『話し上手』『博愛主義者と幸せな猫』『立ち往生した牝牛』
  • サキ コレクション vol.1

    「まもなく伯母も降りてまいりますわ、ナトル様」 ひどく落ち着いた雰囲気の15歳の少女が言った。「それまでわたくしがお相手をつとめさせていただきますわ」 フラムトン・ナトルは、やがて来る伯母さんに対して失礼にあたらないよう、しばらくはこの姪のご機嫌を損ねないために、何か適当なことでも言っておこうと考えていた。内心ではこれまでにも増して、つぎからつぎへと見も知らぬ他人を形ばかり訪問することで、神経衰弱がどれだけ回復するのだろうか、という疑問がふくらんでいたのだが。 「わたしにはどうなるかわかってます」田舎の別荘に移る準備をしていたフラムトンに、姉はこう言ったのだった。「田舎に引っ込んでしまって、生きている人間なんかとは一切話さなくなるんだわ。ふさぎこんで、神経の方もどんどん参ってしまうのよ。とにかく、そこに住んでいる知り合いみんなに紹介状を書いてあげるから。なかにはすごくいい人だっていましたよ

    Kochel
    Kochel 2009/01/27
    http://f59.aaa.livedoor.jp/~walkinon/translation.htmlの個人的翻訳より/『大きな窓』『ハツカネズミ』『スレドニ・ヴァシター』
  • 英米短編小説翻訳

    ▼新 作 ▼翻訳作品履歴 '11.06.27… ◆サキ 『サキ・コレクション vol.8』 '11.04.01… ◆メアリー・ゴードン 『手品師の』 '11.01.25… ◆F.スコット・フィッツジェラルド 『生意気な少年』 '10.11.19… ◆シャーリー・ジャクソン 『ある物語の顛末』 '10.10.01… ◆アーネスト・ヘミングウェイ 『キリマンジャロの雪』 '10.08.16… ◆シャーリー・ジャクソン 『夏の人びと』 '10.07.01… ◆ジョン・チーヴァー 『クレメンティーナ』 '10.04.08… ◆J.D.サリンジャー 『ロイス・タゲットの長いデビュー』 '10.03.16… ◆サキ 『サキ・コレクション vol.7』 '10.02.18… ◆グレアム・グリーン 『パーティの終わりに』 '10.01.15… ◆ジョージ・オーウェル 『なぜわたしは書くのか』 '09.1

    Kochel
    Kochel 2009/01/27
    個人的に訳した英米短篇の翻訳
  • はてなブログ

    はてなブログをはじめよう はてなブログは、無料でしっかり書けるブログサービスです。 はてなブログの良いところは、なにより文章が書きやすいこと。さらに、楽しいイラストや美しい写真を載せたり、ツイートや動画を貼り付けるのも簡単です。気になったニュースをカード形式で紹介したり、プログラムを見やすくハイライトしたり、どんな記事でもしっかり書くことができます。ちょっとした日常の記録にも、誰かに伝えたい想いを綴るにも、人生の物語を書き残すにも、どうぞご利用ください。 はてなブログとは

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  • 汝の隣人のブログを愛せよ | LOVELOG

    au one netのブログサービス 『LOVELOG』は2014年6月30日をもちまして提供を終了致しました。 永らくのご利用、誠にありがとうございました。 引き続きau one netをご愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ※お手数ではございますが、新ブログにて閲覧の皆さま向けにブログURL変更等をご周知いただけますよう、お願い申し上げます。

    Kochel
    Kochel 2009/01/27
    「わたしに必要なものは読者だ。著作権料を完璧に遺漏なく取り立てるシステムではない。立ち読みさえも許さぬような排他的な「書物の制度」ではない」
  • 汝の隣人のブログを愛せよ | LOVELOG

    au one netのブログサービス 『LOVELOG』は2014年6月30日をもちまして提供を終了致しました。 永らくのご利用、誠にありがとうございました。 引き続きau one netをご愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ※お手数ではございますが、新ブログにて閲覧の皆さま向けにブログURL変更等をご周知いただけますよう、お願い申し上げます。

  • 読書について - 情報考学 Passion For The Future

    読書について 読書家と文筆家に向けられた厳しい箴言の書。19世紀の哲学者ショウペンハウエルによる古典。 「1日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失っていく。」 ショウペンハウエルは人間には思索向きの頭脳と読書向きの頭脳があるという。思索とは自らの思想体系でものを自主的に考える精神の深い行為だが、読書は思索の代用品であり、他人の思索の跡をなぞるだけの浅い行為に過ぎないのだと指摘する。 「即ち精神が代用品になれて事柄そのものの忘却に陥るのを防ぎ、すでに他人の踏み固めた道になれきって、その思索のあとを負うあまり、自らの思索の道から遠ざかるのを防ぐためには、多読を慎むべきである。かりにも読書のために、現実の世界に対する注視を避けるようなことがあってはならない。」 思索によって獲得した知識は自身の思想体系に固く併合されて精神に確固たる位置を占める真理になる。だが読書によって流

    Kochel
    Kochel 2009/01/27
    ショーペンハウエル/自分の立場を完全に棚に上げてついニヤニヤと讀み耽ったなあ。
  • 商用サイトでも制限無しで利用できる無料の写真素材サイト集

    Cats Who Codeのエントリー「50のフリー写真素材サイト集」から、商用サイトでも、リンクやクレジット表記の制限無しで利用できる無料の写真素材サイトをピックアップして紹介します。 50 sites to find free stock images 上記サイトでは、他にも個人サイトのみやリンク・クレジット表記のフリーサイトが紹介されています。 [ad#ad-2]

  • 近所のスーパーで売ってるもので作れるチェコ料理! :: デイリーポータルZ

    先日、チェコ総合情報誌『CUKR(ツックル)』編集長・梶原さんに、いっこ、チェコ料理を教えてもらいました! 大塚「あのー、私、チョコ料理って言われても、どんなものかイマイチ想像がつかないんですが…」 梶原「うーん、そうですね、基はジャガイモです」 「イモですか」 「チェコ人が日に来て、ゴハンとオカズが出て来ると、『なんでイモがないの?』ってきかれます」 「ああ、つまり、日人の『お米』みたいな感じで、イモをべていると…」 「そうですねえ」 「しかし…今回、『ブランボラーク』って料理を作ろうとしてるワケですが、こんな簡単な材料でいいんですかね?」 買い出しに行って、梶原さんがカゴに入れたのは、これだけ。 「ジャガイモ、ニンニク、赤ピーマン…」 「あとはウチの冷蔵庫に入ってるもので、なんとかなります。当はハーブなんかも入れるんですけど、今回はナシってことで」 そんなわけで、まずはジャガ

    Kochel
    Kochel 2009/01/27
    『CUKR』手元にあったなー……と思ったら創刊号じゃなく別冊だった(´・ω・`)
  • 網迫のホームぺージ(新館)

    網迫「質より量」(新館) blogで、新着テキストの情報を書くつもりでしたが、blogにテキストを細切れにして貼り付けることが多くなっています。 また、網迫の電子テキスト@Wikiというのもあります。そちらの方に、よりよいテキストが載っているかもしれません。また、そこはwikiですから、誤植に気付いた人が自分で訂正できます。ここやblogにあるテキストを訂正して、そちらのwikiに貼り附けていただいても構いません。 山実彦の件でメールをくださったAMCさん、返事が戻って来ました。 *あみざこ*といいます。よろしくおねがいします。 を読むのが好きなんです。正岡子規が、ebookとかいうところで出ちゃったらしくて、もうこのホームページの存在意義はほとんどなし!(T.T) やけをおこして、OCRしただけで未校正のデータ大放出! もってけもってけ! ご自分で校正なさって、公開してくださって構

    Kochel
    Kochel 2009/01/27
    明治大正昭和文學のオンラインテキスト(未修正多し)
  • 『究極版 逆引き頭引き日本語辞典』 - Stylish Idea

    日頃、様々な場面で文章を書いている時や、翻訳をしている時に、日語の連語(コロケーション)で悩むことがあります。 例えば英語では、『新編 英和活用大辞典』や「Oxford Collocations Dictionary for Students of English」のようなものがあり、書く時などで非常に重宝します。 そんな辞書が日語でもないのかと思っていたところ見つけたのが、『究極版 逆引き頭引き日語辞典―名詞と動詞で引く17万文例』です。 今日届いたばかりなので、じっくりとは使いこなせていませんが、これはなかなか重宝しそうな一冊です。 このは、校正者である筆者が、校正をする際に、名詞と動詞を助詞「を」で結ぶのが正しいかどうか迷う場面が多かったことがきっかけで、作った辞典とのことです。 「はじめに」では、この辞典の説明として、 書でまとめた名詞と動詞(とくに他動詞。動詞以外も一部