日本のアニメ界を牽引してきた「京都アニメーション」。35人の命が奪われた放火事件からまもなく1か月を迎えます。「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!」など、世界中のファンに愛され続けてきた作品の数々。その魅力について、アニメーターや演出家などでつくる「日本アニメーター・演出協会」代表理事を務めるアニメーション監督の入江泰浩さんが、NHKの取材に対して文章を寄せました。プロの目線から、京アニ作品の細部に宿る魅力を解説してくれました。 私が京都アニメーションを知ったのは、1992年にテレビで放送された「内田春菊の『呪いのワンピース』」というアニメ作品においてです。アニメーターの目から見ても、とにかく丁寧に作られた映像という印象でした。動きのキーとなる原画も丁寧な芝居で、動画も乱れのない出来。当時、海外に発注された動画の荒れ具合に困惑していた私にとって、その仕上がりは羨ましいものでした。「京都アニメ