にぎり寿司にのっているマグロ一切れは12グラム。骨も皮もない姿になって対面すると、どこの海でどう釣り上げられたのかまで想像しづらい。マグロの世界、このようになっているのです。 クロマグロクロマグロとタイセイヨウクロマグロの2種があり、いずれも「本まぐろ」と呼ばれる。マグロの最大種で、体長4メートル、体重600キロにもなる。時速80~90キロの高速で長距離を回遊する。若齢魚は「めじ」や「よこわ」と呼ばれ、主に刺し身で食べる。人との関わりは古く、紀元前7千年には地中海で、日本では縄文時代から利用していたとされる。現在、外国の漁獲の多くは日本向けに輸出される。1970年以降は乱獲が指摘され、漁獲制限や人工種苗の開発が試されている。日本での旬は、脂肪をため込む冬。腹身のトロは最高級のすしだねだ。赤身もまたよろしく。部位により違う味わいが楽しめる。