自分の父親・母親を見送った経験からいうと、人間が穏やかに一生を終えていくのも、ものすごい手間がかかりますーー。経済学者の竹中平蔵氏はそう振り返る。竹中氏といえば「日本人は90歳まで働くことになる」という持論からネット上では議論を巻き起こしたが、その一方で日本の介護制度や年金制度に対しても問題意識を持っている。みんかぶプレミアム特集「逃げる介護」第1回は、竹中氏がサステナブルな制度を提唱するーー。 介護離職は日本経済において、大きなロスである 人間が教育をうけて一人前になるには20年ほどの大変な手間暇がかかります。そして、自分の父親・母親を見送った経験からいうと、人間が穏やかに一生を終えていくのも、ものすごい手間がかかります。お金もかかりますし、時間もかかります。 今、私が懸念しているのは、これから日本で介護難民が増えることです。今の日本社会では個人ベースでも社会ベースでも介護に対して十分な