今年に入って「シルバーデモクラシー」という言葉が政治のキーワードとして語られるようになってきた。シルバーデモクラシーとは、高齢者を象徴する色である「シルバー」と民主主義を意味する「デモクラシー」を組み合わせた即席の造語である。 そのため定義がはっきりせず、論者によって必ずしも意味の統一しないバズワードとなっているのだが、大枠としては「少子高齢化が進む民主主義国家に生じる世代間格差の問題」というような意味で使われている。 例えば新語時事用語辞典では「少子高齢化が進行する社会において、有権者全体を占める高齢者の割合が増加し、多数派である高齢者向けの政策が優先的に考えられる状態」と説明している。 必然的に崩れていく日本の社会保障制度 このような言葉が日本でささやかれるようになった背景には、少子高齢化が世界で最も進んだ日本の人口構造上の問題がある。簡単に見て見よう。