馬鹿には分からない事というのは必ずある。 能力を超えた事というのは、どうあがいたって分からない。 赤外線や紫外線が見えない我々には、可視領域の異なる生物が世界をどんな風に「視て」いるか、分からない。「こんな風に見えています」と仮想化して(つまり『馬鹿でも分かる』状態にして)見せる写真とかあるけど、それは彼等が「視て」いる風景ではない。 複眼のある生物が世界をどんな風に「視て」いるか、我々には分からない。複眼に見える世界を表現しようと数百個くらいの小さい映像をぐるっと並べたような想像の写真とかあるけど、複眼なめんな。我々に「二つの映像」が見えているのではないように、彼らだって「数百個の映像」を視ているわけではないだろう。数百個の映像によって構成される「一つの世界」を認識しているだろう。でもその現実感覚を理解することは多分できない。 西尾維新風に云えば「ムカデにどうやって歩いているのか聞いても