社員食堂で定食を受け取ってからビルの外に出た。スタジオには広い中庭があった。植樹された木々と芝生はまるで公園だ。ちなみに画板(キャンバス)と呼ばれているらしい。油断するとシリコンバレー的なのが出てくるな。あちらは確か大学(キャンパス)だったが。 中庭に並ぶテラス席で食べている社員も多い。大学(キャンパス)の学食を思い出す光景だ。でも画板(キャンバス)か、ややこしい。 もちろん意義は分かる。分からない小説家はいないはずだ。PCやノートに向かってどれだけ頭を絞っても出てこなかったシーンが、河川敷を散歩してるときに出てくるなんてざらだ。考えている時の頭の中は、ぐらぐら煮立ったシチューのようなものだ。散歩する中で適温に冷めたときにはじめて味が分かる。煮詰まったという誤用は、小説を書く者にとって誤用といえないイメージを持っている。 筋トレが趣味の同業者は、トレーニングは筋肉を壊すため、そのあと休んで