英半導体メーカーのアームの米エヌビディアへの売却を断念したソフトバンク。同社は、保有するテクノロジー株の下落などによって難しい局面にある。そんななかで孫正義の右腕としてグループを支えてきた大物幹部が退任した──その裏に何があったのか、英経済紙が探った。 グループの困難を乗り切ってきた大物幹部 2022年1月末、ソフトバンクグループ副社長兼最高執行責任者であったマルセロ・クラウレが退任した。 英紙「フィナンシャル・タイムズ」によると、彼は社内の問題解決役で、この8年間、投資がうまくいかないときに孫正義が直接解決を依頼していたほどの腹心だったという。 クラウレはボリビア出身の起業家で、ソフトバンクが買収したスプリントのCEOに2014年に任命され、難関を乗り越えてTモバイルとの合併を2020年に完了させた。その後、WeWorkなど複数の不振事業を立て直すのに貢献してきた。 また、ソフトバンクの