ピーター・トライアス『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』の大森望氏による解説 「SFとしても文学としても太い芯を通した堂々たる傑作」 新☆ハヤカワ・SF・シリーズとハヤカワ文庫SFから同時発売! 書籍の冒頭部分を無料公開中! (1)「われわれは勝ちました」/(2)「きみにはなにもできん、石村」 解説SF翻訳家・書評家 大森 望 第2次世界大戦に枢軸側が勝利し、アメリカ大陸に日本合衆国(ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン)が誕生したもうひとつの1988年で、巨大ロボットが大暴れ! ……みたいな紹介はまったく間違ってないし、『高い城の男』と『パシフィック・リム』の融合! というのも確かにそのとおりなんだけど、そういうキャッチーで派手な要素は、この傑作長篇のほんの一面でしかない。 本書『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』は、改変歴史SFとしても、巨大ロボットアクションとして