葉梨康弘法相が「法相は死刑のはんこを押す地味な役職」などと発言したことを受け、政府は10日、火消しに追われた。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題で支持率下落に直面する岸田文雄首相が被害者救済の新法を提出する方針を打ち出した矢先の閣僚の失言。首相は葉梨氏を続投させる考えを示したが、対応を誤れば政権にさらなる打撃を与えかねない。 「職責の重さを自覚し、説明責任を果たしつつ、職務に当たってもらいたい」 首相は10日、松野博一官房長官の報告を受けた際、葉梨氏に説明責任を果たすよう求めた。 葉梨氏の発言に野党は反発を強めている。同日の参院法務委員会の開会が遅れたほか、衆院本会議で予定されていた民法改正案の採決が先送りされた。「法相の任にふさわしくない」(立憲民主党の長妻昭政調会長)として辞任を迫る。 旧統一教会の問題をめぐり、首相は8日、被害者救済の新法の今国会提出を目指す考えを示した。政権が救