自民党総裁選不出馬について記者団の質問に答え、一礼する菅義偉首相=首相官邸で2021年9月3日午後1時9分、竹内幹撮影 菅義偉首相(72)は3日、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補しない考えを首相官邸で記者団に表明した。 「全力でこの危機を乗り越える。皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます」。政府が緊急事態宣言の延長・拡大を決めた8月25日の記者会見で、菅義偉首相は後に批判を浴びた「明かりははっきりと見え始めている」という楽観論に続けて、国民に感染対策徹底や行動自粛を呼びかけた。頭を下げる首相の姿は、もはや「恒例行事」のようにも映っていた。 就任以来、宣言の発令と解除を繰り返す一方で、首相が示した「これが最後」という楽観的な見通しは何度も裏切られた。不自由な生活を強いられる国民はいらだちを募らせ、頂点に達しつつあるその不満が、菅政権の継続を不可能にした最大の要因だ。 菅首