インドのモディ首相が先週、ロシアの首都モスクワを訪れ、プーチン大統領と会談した。親密さを印象づける抱擁の場面もあったが、民主主義と権威主義の両陣営に足場を持つ「バランス外交」をうたうモディ氏だ。今、期待したいのは、ウクライナ侵攻をやめるようロシアを説得することである。 インドは伝統的にロシアと良好な関係にある。侵攻直後の2022年2月の国連安全保障理事会で非常任理事国インドはロシア非難決議案を棄権。その後、国連総会でも同様の決議案に棄権した。 かつて、カシミール問題でインドに不利な決議案が国連安保理に出された際、旧ソ連(現ロシア)が拒否権を発動して否決に持ち込んでくれたことへの「返礼」の側面もある。旧ソ連のアフガニスタン侵攻の際にも、インドは国連総会のソ連非難決議を棄権した。
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