「面白い男がいて、今度うちで『ひとり情シス』の取り組みを発表するので、あなたも聴きに来ないか」。ある学会の会長からそんな誘いを受けて講演を聴いたのが、大手製造業の事業子会社でIT技術者として働く成瀬雅光氏との出会いだった。 その講演内容は衝撃的だった。「10人いたIT部門がリストラで消滅。たった1人残された技術者(成瀬氏)が200台のサーバーを管理し、複数の業務システムを内製できるまでになった。その取り組みとは」。大変申し訳ないことだが、学会発表を聴くと途中でまぶたが重くなり、やがてコクリ、コクリ…というパターンが多いのだが、この日は違った。「こりゃ、すごい。この事例を多くの人に知らしめよう」と冴えた頭で考えていた。 既に「ああ、あの連載のことね」とお気付きの読者も多いかと思う。ITpro(現・日経 xTECH)に2016年10月から連載した「ひとり情シス顛末記」はこうして生まれた。IT部