「世界の終わりを想像するより、資本主義の終わりを想像するほうが難しい」というのはアメリカの思想家フレドリック・ジェイムソンの言葉で、それを2009年にイギリスの批評家マーク・フィッシャーが「資本主義リアリズム」と名づけて広く知られることになった。「(現代にあっては)資本主義が唯一の存続可能な政治・経済制度であるのみならず、今やそれに対する論理一貫した代替物を想像することすら不可能だ、という意識が蔓延(まんえん)した状態」だという。 興味深いことに、この同じ認識から始まって、2人のイギリスの思想家がまったく異なる結論に至った。1人はジャーナリストのアーロン・バスターニで、テクノロジーによって資本主義は乗り越えられ、「潤沢な共産主義」が実現すると論じた(『ラグジュアリーコミュニズム』橋本智弘訳/堀之内出版)。 それに対して経済人類学者のジェイソン・ヒッケルは、あくなき経済成長を求める資本主義は

