画集「NO WAR!」より。Untitled 2004-2005 (c) Yoshitomo Nara, courtesy of the artist 終戦から70年という節目の年、安倍政権が進める安保関連法案は国民的な議論を呼んでいる。この夏、私たちは戦争や安全保障についてどう考えたらよいのだろうか。2014年末に戦争をテーマにした画集「NO WAR!」(美術出版社)を上梓したのは、国際的な現代美術家、奈良美智さんだ。 画集をめくると、怒った顔が描かれた爆撃機が飛び、女の子は核戦争のキノコ雲が掲載された新聞を開いている。「あきらめるなんて 死ぬまでないはず」という言葉とともに、零戦とおぼしき、たくさんの飛行機が空を埋めつくす。いつになく、明確なメッセージをこれらの作品から受け取れる。今、どうしてこの画集を出そうと思ったのですか? 奈良さんに「戦争」のことを聞いてみた(文中敬称略)。