成人して親元を離れてしまえば、そんな頑張りからも解放されるかと思いきや、そうはいきません。 母親の顔色をうかがって生きてきた子供は、行動や価値観の中心軸を自分に置かず、他者に置く習慣ができています。ですから大人になっても、周囲の顔色をうかがい続けます。 そばにいる相手がつまらなそうだったり、場の空気が険悪になったりすると、すぐに「自分のせいかもしれない」などと気に病んでしまうのです。 こうしてあらゆる他者に気を遣いながら生きるとき、その人は個々の相手の向こうに、知らずに母親を見ています。 周囲と楽しくコミュニケーションがとれる、周囲に気にいられる、その結果会社で評価される――といった成果をあげなければ母親が悲しむかもしれない、と無意識のうちに考えるからです。こうして、子供のころの行動パターンが、ずっと繰り返されます。 恋人ができたり、結婚を考えたりする際も「母親が喜ぶような相手だろうか?」