東南アジア諸国間の「違い」を浮き彫りにする本シリーズの第2回は、東南アジア諸国の教育水準を取り上げる。教育水準の向上は、当該国の労働者・技術者の高度化や産業の生産性に寄与する。教育水準が高い国においては、高度人材※1が獲得できる可能性が高く、採用した人材に高い業務品質を期待できるなど、日本企業が現地へ進出する際のメリットがある。他には、当該国の識字水準などにより、マーケティング手法が異なる、教育関連のサービスに支出する金額が異なる、などの違いが生じる。 教育水準を示す指標は、国際機関から複数提示されている。まず、国民全体の総合的な教育識字水準を示す指標として、国連より公表されている『教育指数※2』がある。初等から中等教育にかけての学力を示す指標としては、OECDが公表している『生徒の学習度到達調査※3(Programme for International Student Assessme