さっさとジャッジできないのはいけないこと、ダメなこと――。 過剰なまでに、拙速に、しかも、安直に、「白と黒=ポジティブとネガティブ」の対立軸で物事にジャッジを下したがる世の中の風潮に、ちょっとばかりウンザリしている。 小保方博士の論文の報道にも、その傾向が見え隠れする。 「世界的な発明」、「ノーベル賞候補だ!」と散々持ち上げたかと思いきや、「捏造か?」なんて見出しが週刊誌やネットの画面に踊る始末だ。 論文の掲載元であるネイチャーの調査結果も、まだ明らかになっていないにも関わらず、あたかも「×(バツ)」と言わんばかりの報道や、コメントが行き交っている。 京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授が、 「STAP細胞は、細胞の初期化メカニズムに迫る上で、極めて有用です。またSTAP細胞は未来の医療、たとえば移植に頼らない体内での臓器の再生、失われた四肢の再生などにつながる大きな可能性のある技術です