2021年に入り、東証1部上場の宮越ホールディングス(HD)の株価がにわかに上昇している。背景にあるのが中国で行うとしている巨大な再開発計画だ。 同社は長年、中国などで音響・映像機器の製造を手がけてきたが、バブル崩壊後の1990年代に業容が悪化し、その後撤退。生産工場として1987年に取得したという深圳市福田区の工場跡地13.6万平方メートル(一部譲渡し現在は12.7万平方メートル。東京ドーム3個分)を活用し、中小事業者向けのオフィスや運動場として貸し出してきた。現在は収益のすべてがこの不動産の賃貸収入だ。 それが2018年に突如、深圳の工場跡地に建設費70億元(当時の為替レートで約1200億円)を投じて大規模再開発を行うとぶち上げた。具体的には、テナントとして世界中からイノベーション企業500社を誘致し、研究開発拠点、オフィス、商業、住宅を含むアジア最大級のワールド・イノベーション・セン