サッカーの監督には個性的な人物が多いが、日本代表を率いた監督の顔触れも多士済々だ。「ドーハの悲劇」で知られるハンス・オフトはワールドカップなど夢物語だった日本を「あと一歩」まで連れて行ってくれたし、イビチャ・オシムは今もたくさんの人を魅了してやまない「美しい言葉」を残している。 2002年の日韓ワールドカップで、日本をベスト16へと導いたフィリップ・トルシエもこうした人たちに負けない個性的な監督だった。トルシエを推薦したのは名古屋グランパスの監督として成功した後、プレミアリーグのアーセナル監督となったアーセン・ベンゲルだ。 当時、ベンゲルは日本サッカー協会の意中の監督だったが、アーセナルとの契約によって動けない。代わりに推薦したのが南アフリカ代表監督としてフランスワールドカップに出場したトルシエである。その特徴はA代表だけでなく、若手のユース代表を育て、オリンピック代表まで率いるなど、さま