2009年夏に、SHIBUYA TSUTAYA限定で絵本+CDシングル「こわくない」をリリースしたシンガーソングライター、72(ナツ)。真っ白な紙に白いインクで印刷されたその本は、敏感な若者の間で瞬く間に話題となった。 しかし、72の素顔はいまだベールに包まれたまま。ナタリーでは今回、そんな彼女にメジャーデビューのタイミングでインタビューを敢行した。72の目でしか描けない歌詞表現や、心にストンと落ちていく純度の高い歌声には、彼女の26年間の人生すべてが投影されている。 取材・文/川倉由起子 「72」という名前は、人間っぽくない感じがいいかなって ──まず、お名前は「72」と書いてなんと読むんですか? 「ナツ」です。この名前にはいろんな意味があって、まずは本名が「ナツコ」であること。あと、私が現在のプロデューサーにデモテープを持っていったとき、彼がたくさんアーティストの卵を抱えていたので音源