21歳未満が読んだらファラオに呪い殺されるいつものエントリ。 ぼうっとカウンターに座っていたら、全校のスピーカーから「蛍の光」が流れてきた。 図書室の代理貸出委員である僕の業務は、これで終わったことになる。 「田上くんごめんね、こんな時間まで手伝わせちゃって」 そう言って、申し訳なさそうに顔の前で手を合わせる、図書委員長。その仕草があまりに彼女に似合っていたので、僕は思わず笑ってしまった。 「何が面白いの?」 ジト目で睨む委員長に気付いて、慌てて取り繕う。 「いえ、別にそんなこと構わないのに、って思って。ちょうど僕も、暇でしたから」 「ふうん? ……ま、いっか。そう言ってもらえると助かる。今年はインフルエンザも流行ってるみたいだから、田上くんも気を付けてね」 「はい」 もっとも、そのインフルエンザで今日の貸出委員だった丸藤さんが休んでくれたおかげで、僕は委員長と一緒に放課後を過ごせたのだ。