今年は帰省をしなかったため、食っちゃ寝の寝正月であった(帰省しても寝正月には変わりないのだが)。少し身体を動かしておかないと、仕事始め後の日常生活に差しつかえるという危惧もあったので、妻と次男と三人で隣町にあるブックオフまで歩いて往復する。片道徒歩で約30分の道のりである。 ブックオフで購入したのは、横溝正史『真説金田一耕助』(毎日新聞社、1977年)である。105円のコーナーにおなじものが2冊並んでおり、帯のあるほうを選んだ。とくに意識していなかったけれど、帰宅後奥付を見ると初版だった。 この本は角川文庫版をほぼリアルタイムで読んでいるはずだ。文庫版は1979年発売だそうだから、わたしは小学六年生。少なくとも中学一、二年生時点には読んでいると思う。ピンク色っぽい地色と、黒に緑色の背が特徴である横溝作品とは違って、背の色が白かったのが記憶に残る。 わたしは、親が購っていた角川文庫版『犬神家