【ベルリン=三好範英】ドイツ南部ウンジーデルにある、ナチス元副総統ルドルフ・ヘス(1894~1987)の墓が20日、撤去された。 遺骨は火葬され、灰は海にまかれるという。 ヘスはナチスの主要幹部では最後まで生存し、墓は過激な排外主義集団ネオナチの「聖地」となった。命日にはウンジーデルや周辺にネオナチ活動家が集合し、反対派との衝突も発生した。墓の撤去は教会が決定し遺族も受け入れた。 ヘスは第2次大戦でのドイツの戦争犯罪を裁いたニュルンベルク裁判で終身刑の判決を受け、ベルリンのシュパンダウ刑務所に収監された。87年に獄中自殺し、両親の眠るウンジーデルの教会の墓地に埋葬された。