押井守の作品ってどうもゴダールっぽい。「攻殻機動隊」にしても「パトレーバー」にしても。それは、過去の作品の引用の仕方であったり、やたらと多い独白だったり。 本書の「そもそも映画とは引用することでしか成立しないからだ。」(P90 )で納得。さらに「今の時代に「創る」ということは「選ぶ」ということと同義だと僕は思っている。それ以外にクリエイティビティなんてないとすら思う。」(P91 )との言い切り。なるほどね。 ・・・と面白いところもあるんだけど、 全体的には、親父の小言の域を出てないのかなぁ。そんなにたいしたこと言ってない。ごくごくフツーのこと。 「そもそも論」が大切なのはわかるけど、解決しないといけない課題を目の前にしながら、「そもそも論」を言い出す奴ほどイラつくことはないのも事実。 日本人の論理的な言語能力が衰退しはじめたのを昭和初期と言い、さらに言文一致運動へまで遡るのには笑った。 「