書き出しだけで本を選んでみませんか−。東京都新宿区の紀伊国屋書店新宿本店でこの夏に開催されたユニークなフェア「ほんのまくら」が驚異的な売り上げを記録した。対象は102タイトルで売上総数は1万8617冊。書店側の目標の約25倍となった。ネット上で「本の闇鍋」と話題になるなど、読書の魅力が失われていないことを証明した格好だ。 「あした世界が終わる日に一緒に過ごす人がいない」。フェアは、文庫本にその本の冒頭一文がデザインされた手作りのカバーをかけてビニールで密封して販売するもの。作品名も作者も分からない。 期間は7月26日から9月16日。当初は100タイトルでスタートしたが、8月上旬に短文投稿サイトのツイッターで「本の闇鍋」などと話題となり、人気に火が付いた。 各タイトル15冊ずつの計1500冊仕入れ、半分の750冊販売が目標だったが、1日で1千冊以上売り上げる日もあり、4タイトルが在庫切