一票の格差を放置したままの選挙の無効を訴える裁判で今週、東京高裁、札幌高裁と相次いで違憲判決が出されたが、違憲の選挙を無効としなかったことについて札幌高裁は現行の法制度の不備を指摘しており、今後の違憲議論に新たな一石を投じそうだ。 東京高裁と札幌高裁は3月6日と7日、相次いで先の総選挙を違憲と判断し、前回の判決で違憲を判断されながらそれを修正しないまま選挙を行ったことは看過できないと政治の不作為を断じた。が、その一方でいずれの判決でも選挙を無効にするまでには至らない「事情判決」にとどまった。 札幌高裁は判決文の中で選挙を無効としない理由の一つに、「上記選挙を無効とする判決の結果、議員定数配分規定の改正が当該選挙区から選出された議員が存在しない状態で行われざるを得ないなど一時的にせよ憲法の予定しない自体が出現することによってもたらされる不都合」をあげている。もし選挙が無効となった場合、直