最近公表された米国のSNA統計をみると、米国経済は、このところ踊り場的局面を迎えつつあり、雇用については、しばらくは厳しい情勢が続くことが見込まれている。実質GDPの対前期比は0.3%の増加であるが、消費の伸びはゼロとなっている。 一部では、米国国債の格付けの低下を受け、米国の「日本化」とよび、米国経済が日本のように「失われた10年」に突入することを懸念する向きがあることが指摘されている。 http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2628 しかしながら、この指摘については、理解することは困難である。確かに、米国経済の今後の行方は予断を許さないものであり、雇用情勢の厳しさについてはいうまでもない。ところが、GDPデフレーターをみると、輸入物価の上昇がマイナス寄与を与えているものの、国内需要のデフレ傾向については、おおむね払拭されている。