ブックマーク / ameblo.jp/kyupin (13)

  • 『死にゆく精神病院2023NEW!』

    上に挙げたリンクは2007年7月の記事である。ここでは、少子化統合失調症の軽症化など入院継続するまでもない患者さんが増加し、近い将来、精神病院の入院患者数が減少していくあろうと言った見通しを紹介している。結びの言葉は、 このように考えていくと、精神病院は斜陽産業もいいところなのがわかる。 であった。その後、どうなったかと言うと、概ね記載通りだが、もう少し別な要因も加わり、斜陽さは一段と進行しているように思われる。 令和元年の全国の精神科病院の病床稼働率は89%くらいである。おそらく新型コロナなどの影響のため、現在は更に下がっているのではないかと思う。 新型コロナが流行するとなぜ稼働率が下がるかだが、もう数年寿命があったであろう高齢者が新型コロナ感染で亡くなってしまうことが1つ。感染で直接亡くならないでも、病後、体力が低下し、些細な感染症や怪我による手術後の経過が悪く亡くなるケースが以前よ

    『死にゆく精神病院2023NEW!』
  • 『統合失調症と抗パーキンソン病薬の話』

    統合失調症の治療における抗パーキンソン薬については過去ログのアキネトンのテーマに記載している。以下に1つだけリンクを挙げている。 今回は統合失調症の人に抗パーキンソン薬を併用すると言う趣旨とは異なり、治療にどのように生かしていくか、あるいはその考え方など、ちょっと風変わりな記事である。 統合失調症は子供や高齢者にはほぼ発症しない精神疾患である。例えば70歳の人に統合失調症に類似する精神病が発症したとしたら、ほぼ間違いなく統合失調症とは異なる精神疾患である。 しかし50歳くらいに初めて精神科病院に初診し、間違いなく統合失調症と診断される人がいる。これはたいてい40歳以前に既に発病しており、ひきこもりの状態で家族が精神科病院に連れていけなかったか、家族が敢えてそうしなかった事例が多い。 男性の場合、経過中、例えば警察沙汰などで警察官同伴で精神科病院に受診するケースが見られるが、女性の場合、そう

    『統合失調症と抗パーキンソン病薬の話』
  • 『精神科医の年齢によるベンゾジアゼピン処方の温度差』

    ベンゾジアゼピンは抗不安薬や睡眠薬として処方されてきた歴史がある。年配の精神科医はベンゾジアゼピンの処方経験の多さと副作用で困った経験が稀なためか、ベンゾジアゼピン処方に対し若い精神科医より抵抗がない。 ここで言う若い精神科医とは40歳代以下くらいであろうか? 近年は不安障害に対し、安易にベンゾジアゼピンは処方しない方針で治療が行われることが多い。ベンゾジアゼピンではなく、SSRIが主流になっているからである。 このブログでは、不安障害に対してベンゾジアゼピンを全面的に否定しないポジションで記載している。僕があまりベンゾジアゼピンを不安障害に使いたくないのは、次第に処方錠数が多くなりかねないという気持ち的な部分が大きい。処方はシンプルな方が良い。また全面的に否定しない別の理由として、日人はSSRIを副作用的に服薬できない人が少なからずいることも関係している。 また、SSRIは服用し続けて

    『精神科医の年齢によるベンゾジアゼピン処方の温度差』
    Mozhaiskij
    Mozhaiskij 2023/11/15
    はてブでkyupin先生とは珍しい。
  • 『コンビニのアルバイトができる人はレベルが高い』

    精神疾患によりアルバイトも向き不向きがある。僕はコンビニのアルバイトができる人はポイントが高いと思う。これは、コンビニでアルバイトができる人は他のアルバイトも広くこなせそうと言う意味である。ここでは、ミスが多く店長に叱られてばかりの人はできるとは言わない。 ある日の診察中、コンビニは色々なことを覚えねばならず、同時にしないといけない業務も多いので大変と言う話が出た。 現代のコンビニはキャッシュカードや交通系パスモなど様々な支払い方法があるし(チャージも含め)、税金の支払いや住民票も取れるようになり、レジ打ちだけできるのでは到底務まらない。 ADHDの患者さんで、コンビニよりもう少し易しそうにみえる居酒屋のアルバイトで、大学生なのにミスがあまりにも多く、店長から高校生やフリーターより遥かに仕事ができないと言われショックを受け、精神科に初診した人がいる。 これは障害に由来するミスの多さと仕事

    『コンビニのアルバイトができる人はレベルが高い』
    Mozhaiskij
    Mozhaiskij 2022/10/09
    はてブでKyupinがエントリーするの珍しくない?
  • 遺産相続とうつの話 | kyupinの日記 気が向けば更新

    近年、遺産相続のトラブルがストレスになりうつ状態が悪化する人を良く診るようになった。直接的に遺産相続のトラブルのために初診した人はおらず、既にうつ病で治療していた人ばかりである。 これは遺産相続が決定的にうつを来すものではないようにも見える。そう思う理由は遺産相続は失うことではなく、取り分の多寡に関係しているからかもしれない。 日ではずっと昔は長男に遺産を受け取る権利が大きかったこともあり、「一般的な考え方」が今の制度にマッチしていない。そこがトラブルの原因だと思う。 新聞などによると、日では遺産額が2000万円以下でトラブルになりやすいと言う。「○○は大学まで行かせてもらった」とか、「海外留学したので既にお金をたくさんもらっていると同じ」などの言い分が飛び交う。 診察室では僕は具体的なトラブル内容は聴かないことにしている。聴いたとしても、トラブルに意見する立場ではないから。 しかし遺

    遺産相続とうつの話 | kyupinの日記 気が向けば更新
    Mozhaiskij
    Mozhaiskij 2018/10/01
    “精神科では莫大な資産を持っていても不幸な人を診ることは稀ならずある” うつ病はお金があれば治るとか言ってる人に聞かせたい。
  • 『医療個人情報とブロックチェーン』

    今日はちょっと変わったエントリである。 精神科救急や輪番で診療中、患者さんが運ばれてきた際、その急患がいかなる薬を服用しているのかさっぱりわからないことも多い。特に大量服薬により意識がないなど。患者さんの情報があるかないかでは大違いである。このような時、お薬手帳があるとかなりわかる。PTP包装が残っていれば服薬量が推定できる。通院している精神科病院がわかれば、電話で現在の処方くらいは教えてくれる。ところがクリニックへの通院だと深夜は電話が繋がらないのでこのような対応ができない。単身生活者や行き倒れの人では情報はかなり限られる。個々の患者さんの薬の情報の共有手段として、1つにブロックチェーンがあると思う。セキュリティ面のリスクはブロックチェーンの技術によりかなり軽減できる。 ブロックチェーンはビットコインの出現で一般に知られるようになった。ビットコインの歴史的な概略を記すと、2008年頃から

    『医療個人情報とブロックチェーン』
  • 『治療者が考える向精神薬治療の期待値』

    このブログでは、精神科治療における薬物治療や、その他の代替治療についても触れている。今回は、ちょっと変わった話題。 精神科医はそれぞれの向精神薬の薬効や副作用のイメージを持ち、どのように治療を行うかデザインの基礎にしている。 例えば、新患の統合失調症の患者さんを治療することになったとしよう。その患者さんが確実に統合失調症と診断できる場合、初回はともかくいずれ抗精神病薬治療になる可能性が高い。 ここでどの薬を選ぶかは精神科医により個人差があり、この決断に精神科医の力量が反映する。 一般には期待値が高い薬を選ぶはずだが、何らかの理由で最も良さそうな選択肢を取らないこともある。それは、急激な治療が良くないと思える時。 あるいは、強い副作用出る可能性がある時や、家族が反応してその後の治療が続くのか危ぶまれる際もそうである。 一方、同じ統合失調症の人でも緩徐に進行しており、1日や1週間の猶予があって

    『治療者が考える向精神薬治療の期待値』
    Mozhaiskij
    Mozhaiskij 2017/04/16
    多剤併用療法は嫌なものだ。減薬しようとすると却って患者さんサイドの抵抗があったりするし。
  • 『自動車運転と抗うつ剤、抗てんかん薬の話』

    昨年11月、サインバルタの添付文書の改訂が行われ、自動車運転を一律に禁じる記載ではなくなり下線が引かれているように、十分に注意喚起することで、自動車運転もできるようになった。 この2ページでは添付文書改訂に至った根拠が記載されている。 ジェイゾロフトは、上記の2ページ目の左側の下の方「重要な基的注意」の欄に、「自動車、機械を操作する際には十分に注意させること」とある。この注意レベルにサインバルタは並んだのである。 一方、3環系抗うつ剤ではどのように記載されているかというと、 これはアナフラニールの添付文書だが、1ページの左側の需要な基的注意の(1)に、 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。 と記載されている。 整理すると、全てのSSRIは自動車運転はできると記載。SNR

    『自動車運転と抗うつ剤、抗てんかん薬の話』
    Mozhaiskij
    Mozhaiskij 2017/03/20
    "施政も遅い上、指示がはっきりしないのが大問題"全くその通りです。
  • 『「悲観的な予測をする傾向 」の補足』

    先日「悲観的な予測をする傾向 」という記事をアップしたところ、偏見だとか、反原発とは関係がないのでは?という意見がいくつか出ている。個人的に言えば、想像力の乏しさや科学的(ここでは精神医学的)に物事を捉える姿勢の欠落から、このような意見が出て来ると考えている。 これはちょうど、サッカーのあの記事で述べられた反論と同じである。(「ワールドカップ2014、ドイツ優勝」および スアレスのハンド(ウルグアイvsガーナ) ) 長々と書いても、水掛け論のようになるだけなので、ここでは多くは書かないが、ある精神科医の興味深い記事を見つけたので参考にしてほしい。 堀有伸(精神科医) 反原発運動と反精神医学の記憶 この記事では広汎性発達障害などは一切出てこないし、自分の記事とは異なる精神科医の視点から見た記事であるが、反精神医学の問題点と反原発運動のベースに似た心性があることを指摘しているのは非常に興味深い

    『「悲観的な予測をする傾向 」の補足』
  • 『向精神薬2剤制限の拡大について』

    今日の記事は短いものの、精神科で治療を受けている人たちには重要だと思う。 平成28年度の診療報酬改定では向精神薬の2剤制限が抗うつ剤、抗精神病薬までに拡大されるようである。 上は田辺三菱製薬株式会社による診療報酬改定のまとめ冊子から、向精神薬制限の部分をアップしたもの。上記の1ページ目の最後の部分から2ページ目の最初にかけて記載がある。 これまで、睡眠薬2剤、抗不安薬2剤、抗精神病薬3剤、抗うつ剤3剤までを上限として許されており、多剤のまま転院してきたとか、薬剤切り替え中の患者さんには例外規定が設けられていた。 今回の改定では抗精神病薬、抗うつ剤も2剤が上限となる。 多剤制限に関しての過去ログでは、外来患者の(抗精神病薬および抗うつ剤の)3剤制限は問題にならないと記載している。 睡眠薬に関しては、不眠が著しい患者が稀におり、自分の外来患者さんの中で2剤に収まらない人が2名だけいる。(この2

    『向精神薬2剤制限の拡大について』
    Mozhaiskij
    Mozhaiskij 2016/03/17
    モヤモヤする話。
  • 『ラミクタールと妊娠・出産』

    トピナ、ラミクタールはここ数年で発売された新しい抗てんかん薬であり、いずれも一風変わった気分安定化作用を持つ。今回はラミクタールと妊娠・出産について。 元々、ラミクタールは優れた抗てんかん薬で双極性障害にも有効性が認められている(邦ではてんかんのみ)。双極性障害でも、より「うつ状態」に有効性を持つ。ラミクタールは極めて催奇形性が低い抗てんかん薬であり、他の向精神薬と比べても傑出している。 てんかんないし双極性障害の人はラミクタールのみ服用して妊娠・出産すれば、悔いがない催奇形対策と言える。(ただ、現在日ではラミクタールの単剤処方ができない) 一般に、抗てんかん薬を服用していない非てんかん女性(コントロール)の催奇形率は3.27%ほどである。(海外。コントロールは108,000人程度の母集団) 以下は抗てんかん薬を服用している女性の催奇形率のデータである。(海外) 単剤療法の催奇形率 抗

    『ラミクタールと妊娠・出産』
  • 『広汎性発達障害はなぜSSRIではうまくいかないのか?』

    今回のエントリは、「急に部屋を片付けようと思ったら・・」を補足するものになっている。 広汎性発達障害の人はうつ状態ないしパニック、あるいは全般性不安障害、アパシーなどを呈しやすいため、精神科や心療内科に受診すると何らかのSSRIが処方される確率が高い。 しかし、往々にしてうまくいかない。僕は広汎性発達障害ではないにしても、何割かそういう要素が混入している人にはSSRIは処方せず、もう少し工夫をした薬物を使うことにしている。だから、新患でSSRIを処方する確率は、それ以外の疾患を含めても非常に低い。(全く処方しないわけではない。過去ログ参照)。 まず、広汎性発達障害の人で、厭世観、希死念慮、リストカットなどが主訴の大部分を占めているような人はSSRIなんて怖くて処方できない。だって、次の受診日に来ないかもしれないでしょう。(明らかな希死念慮がある人にSSRIを投与するのはリスキーである。)

    『広汎性発達障害はなぜSSRIではうまくいかないのか?』
  • 『精神科の新患の予約制について』

    10年くらい前はほとんどなかったが、近年、精神科および心療内科クリニックは、初診しようすると数日ないし数週間待たされることがある。このようなことは、以前から専門性の高いクリニックで生じていた。たとえば児童思春期外来などである。 ところが、近年は一般の精神病院でも新患ではその日に診てもらえない病院も増えてきている。 これはかなり困ることだ。なぜなら精神科受診はスティグマもあり、人あるいは家族が、「これ以上は無理。体が持たない」という限界状態で受診することが稀ではないからである。 しかし数日ないし数週間待たないと受け付けないというものを、その日に初診することはできない。 したがって、限界状態のまま数日ないし数週間待つことになる。精神科では、この空白の時間に、自殺が起こることも実際にある。精神疾患の患者さんは、精神科医療を受けるより受けない方がより自殺が多いからである。 だからといって、それが

    『精神科の新患の予約制について』
    Mozhaiskij
    Mozhaiskij 2014/09/21
    リエゾンの問題のほうが印象に残る。大事な分野なんだが軽視されている。
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