各国から移民を受け入れ、様々な文化を尊重する「多文化主義」を掲げてきたオーストラリアが転機を迎えている。移民増加などを背景に中国の影響力が高まり、中国に対する疑心が強まっているのだ。3月14日、シドニー州議会内の会議室は異様な雰囲気に包まれていた。中国共産党が豪州の政界や学界に影響を行使している実態を指摘したチャールズ・スタート大のクライブ・ハミルトン教授の新著「静かなる侵略―豪州での中国の影
【シンガポール=宮野弘之】第二次大戦中、日本軍の捕虜になっていたと嘘をつき、恩給を不当に受け取ったとして、詐欺罪に問われた元オーストラリア戦争捕虜の会会長、アーサー・クレーン被告(84)に対し、このほど禁固4年の有罪判決が言い渡され直ちに収監された。同被告は「社会に自分の居場所が欲しかった」と弁解したが、「元戦友」だけでなく、夫人や子供にも嘘をついており、社会的地位だけでなく家族も失うはめになった。 判決によると、同被告は1960年代に南オーストラリア州のパブで知り合った元捕虜の話を聞き、自分も「英雄になりたい」と思い、元捕虜だったという嘘をつき始めたという。 84年にクイーンランド州に転居後、多くの元捕虜と会い、受け入れられたことがうれしく、勧められるまま、88年に恩給の受給を申請した。その際、16歳当時にマレー半島でゲリラ活動に加わり、42年に日本軍の捕虜になった、などという嘘の経歴を
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