いま、「縄文」がブームである。2018年には、ドキュメンタリー映画『縄文にハマる人々』が話題を呼び、東京国立博物館で開催された特別展『縄文——1万年の美の鼓動』の来場者数は35万人を超えた。1月17日刊行予定の『縄文時代の歴史』(講談社現代新書)は、縄文時代の通史の決定版だ。著者の国立歴史民俗博物館教授・山田 康弘氏に「縄文」をめぐる7つの疑問にお答えいただいた。 縄文土器、あの模様に込められた意味は? Q1:本の中に、「縄文時代に恋愛結婚はなかった」とありましたが、どういうことでしょう? なぜ、そのようなことがわかるのですか? A1:人口数の少なかった縄文時代には,1つの集落(ムラ)ですべての食料や物資、人的資源が調達できるような、完結した集落はなかったと考えられます。集落を維持するには、近隣の集落などと物資や情報の交換をしていくことがぜったいに必要でした。 そして、そのような交換を行う