タグ

ブックマーク / webronza.asahi.com (11)

  • 全ての報道機関が問われているもの――「記者逮捕」を考える〈下〉 - 高田昌幸|論座アーカイブ

    全ての報道機関が問われているもの――「記者逮捕」を考える〈下〉 ジャーナリズムの務を貫き、現場を守り続けることを職を賭してでも示せ 高田昌幸 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト 北海道新聞旭川報道部の記者が取材中に逮捕された。この事件は、取材と報道の在り方全体にも大きな問題を投げかけている。3回にわたった連載の最終回は、個別の事件を離れ、報道機関全体が考えるべき諸点を整理した。 連載の〈上〉はこちら、〈中〉はこちら。 取材倫理基準を示したガイドラインを 国立大学法人・旭川医科大学を舞台とした今回の事件後、ネットでは「公的な場所であっても取材許可を得るのは当然だ」という意見が散見された。しかし、学校や官庁、市民会館といった公共施設、さらには広場や道路といった公共空間でも取材に原則として「許可」が必要になれば、「取材の自由」の範囲は一気に狭まる。 許可には当然、許可する側が存在

    全ての報道機関が問われているもの――「記者逮捕」を考える〈下〉 - 高田昌幸|論座アーカイブ
  • 市民の知る権利に応えてこその「報道の自由」――「記者逮捕」を考える〈中〉 - 高田昌幸|論座アーカイブ

    市民の知る権利に応えてこその「報道の自由」――「記者逮捕」を考える〈中〉 責任は記者個人ではなく幹部にある。「取材の公益性」主張には市民の信頼が必須 高田昌幸 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト 北海道新聞社旭川支社報道部の新人記者が、取材中に逮捕された。事件そのものはまだ捜査中だが、この問題は「取材・報道の自由」「逮捕時における容疑者の実名報道」といった問題をはらんでいる。メディア環境が激変し、ジャーナリズムも大いなる変容を迫られている現在、事件は社会と報道界に何を問い掛けているのか。 連載〈上〉はこちら、〈下〉はこちら。 記者に「取材特権」はあるか 国立大学法人・旭川医科大学は、新型コロナウウイルス感染防止のため、部外者の入構を原則禁じていた。それにもかかわらず、建物に許可なく立ち入ったとして、記者は6月22日午後、建造物侵入の疑いで現行犯逮捕された。吉田晃敏学長の解任を

    市民の知る権利に応えてこその「報道の自由」――「記者逮捕」を考える〈中〉 - 高田昌幸|論座アーカイブ
    MyPLB
    MyPLB 2021/06/30
    「他メディアにリードを許したとしても、半年以上という期間は態勢を立て直すにも十分な時間だ」「そうした長期的な展望や取材方針を十分に持たないまま、北海道新聞はこの問題の取材を続けたのではないか」
  • 北海道新聞が速やかに果たすべき説明責任とは――「記者逮捕」を考える〈上〉 - 高田昌幸|論座アーカイブ

    北海道新聞が速やかに果たすべき説明責任とは――「記者逮捕」を考える〈上〉 メディア界への影響は甚大 新人記者はなぜ現場に向かわされたのか 高田昌幸 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト 北海道新聞社旭川支社報道部の記者(22)が、旭川医科大学の学長選考会議を取材中に無断で学内の建物に入ったとして、建造物侵入容疑の現行犯で逮捕される事件があった。入社間もない試用期間中の記者が、指示に従って建物内に入った結果、逮捕に至ったとみられている。取材活動によって報道機関の記者が逮捕された例は、近年なかった。この事件をいったい、どう捉えたらいいのか。取材・報道の自由、犯罪報道における実名の是非、メディア自身による説明責任、北海道新聞社は記者を守るのか……。観点はいくつもある。そうしたポイントを3回にわたって整理し、考えたい。 連載の〈中〉はこちら、〈下〉はこちら。 記者の逮捕 現場で何が起き

    北海道新聞が速やかに果たすべき説明責任とは――「記者逮捕」を考える〈上〉 - 高田昌幸|論座アーカイブ
    MyPLB
    MyPLB 2021/06/30
  • 一世紀近く続く長期観測を止めるという愚策 - 山内正敏|論座アーカイブ

    一世紀近く続く長期観測を止めるという愚策 「公的機関のスリム化」を無批判に続けたことが日を弱体化させている 山内正敏 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員 新年度に入ってすぐ、気象庁地磁気観測所(茨城県石岡市柿岡)からショッキングなニュースが届いた。1931年から継続してきた大気電場(空中電気)と翌1932年から継続してきた地電流の観測を今年2月末に止めたというものだ。一時的な中断ではなく、完全な停止だ。いずれも日で唯一の公的観測であり、他地点での替えはない。 地球科学では100年単位の現象がごろごろあり(たとえば大気汚染や地球温暖化、太陽活動の大周期など)、大気電場も上図に示すように10年以上の単位の変化が見られる。しかも柿岡は「中緯度帯でアジア=オセアニア地域」という、類似の地理条件で長期観測をしている所がほとんどないユニークな地点だ。 にもかかわらず、既に9

    一世紀近く続く長期観測を止めるという愚策 - 山内正敏|論座アーカイブ
    MyPLB
    MyPLB 2021/05/20
  • 【47】新耐震設計法の導入から40年、事業継続を担保する設計法に脱皮を - 福和伸夫|論座アーカイブ

    【47】新耐震設計法の導入から40年、事業継続を担保する設計法に脱皮を 福和伸夫 名古屋大学減災連携研究センター教授 新耐震設計法導入からまもなく40年を迎える。1968年十勝沖地震や1978年宮城県沖地震において、耐震性が高いと考えられていた鉄筋コンクリート造建物が構造的な被害を受けた。二つの地震では、短柱のせん断破壊、ピロティに代表される上下階の堅さが急変する階の層崩壊、壁配置の偏在による捩じれ被害などが目立った。 短柱とは、柱の上下が垂壁や腰壁で拘束された柱で、変形能力がないために×印状に壊れやすい。後二者は構造的なバランスの問題である。これらの被害を抑止するため、1981年6月1日に建築基準法施行令が改正され、新耐震設計法が導入された。 これ以前は、中程度の地震の揺れに対して無損傷であることを保障する設計(一次設計)のみだったが、これ以降、より強い揺れに対しても検討が行われるように

    【47】新耐震設計法の導入から40年、事業継続を担保する設計法に脱皮を - 福和伸夫|論座アーカイブ
    MyPLB
    MyPLB 2021/05/05
  • 東浩紀『ゲンロン戦記』をつくりながら考えたネットメディアと私の戦い - 石戸諭 |論座アーカイブ

    東浩紀『ゲンロン戦記』をつくりながら考えたネットメディアと私の戦い ネットに夢を抱いた哲学者が立ち上げた「ゲンロン」の戦績と失敗の遍歴と重ね合わせて 石戸諭  ノンフィクションライター 『ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる』(中公新書ラクレ)というで、東浩紀さんの聞き手と構成を務めた。書の概要は、公式ホームページにうまくまとまっている。 《難解な哲学を明快に論じ、ネット社会の未来を夢見た時代の寵児は、2010年、新たな知的空間の構築を目指して「ゲンロン」を立ち上げ、戦端を開く。ゲンロンカフェ開業、思想誌『ゲンロン』刊行、動画配信プラットフォーム開設……いっけん華々しい戦績の裏にあったのは、仲間の離反、資金のショート、組織の腐敗、計画の頓挫など、予期せぬ失敗の連続だった。10年の遍歴をへて哲学者が到達した「生き延び」の論理》 5回にわたるインタビューを読み返し、そして構成するなかで、私も

    東浩紀『ゲンロン戦記』をつくりながら考えたネットメディアと私の戦い - 石戸諭 |論座アーカイブ
    MyPLB
    MyPLB 2020/12/13
  • 旭化成より特許が4年早かった三洋電機の謎を追う - 高橋真理子|論座アーカイブ

    ノーベル賞授賞式でカール16世グスタフ国王からノーベル化学賞のメダルと賞状を授与される吉野彰・旭化成名誉フェロー=2019年12月10日、ストックホルムのコンサートホール、代表撮影 旭化成の吉野彰さんが12月10日、スウェーデン・ストックホルムで晴れ舞台に立った。米テキサス大のジョン・グッドイナフさん、米ニューヨーク州立大のスタンリー・ウィッティンガムさんとともにリチウムイオン電池開発への貢献が高く評価されてのノーベル化学賞受賞である。 この3人の名前が発表された10月初め、急ぎ特許について調べた私は、旭化成よりも4年早く三洋電機が特許を出願していたことを知った。世界で最初に商品化したのはソニーであるとか、グッドイナフさんの研究室で正極を開発したのは東芝の水島公一さんだったといった情報は吉野さんの受賞決定とともに広く報じられたが、三洋電機の名はとんと報道されなかった。なぜなのだろうか?とい

    旭化成より特許が4年早かった三洋電機の謎を追う - 高橋真理子|論座アーカイブ
    MyPLB
    MyPLB 2019/12/13
  • 千曲川流域で277年間、受け継がれてきたこと - 黒沢大陸|論座アーカイブ

    台風19号による大雨で、各地で大きな被害が出ています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。 堤防が決壊して大きな浸水被害を受けた千曲川。その上流域にある長野県の佐久地方では、毎年、2週間後がお盆だというのに8月1日が「墓参りの日」となっています。この地方で育った筆者は、大人になるまで、それが全国的な行事だと思っていました。もちろん地域限定で、江戸時代にあった大水害「戌の満水(いぬのまんすい)」の犠牲者を悼んで始まったものだと伝えられています。270年以上前の水害をきっかけに始まった風習が伝承され、地域全体の行事として今も続いているのです。 寛保2年にあった大水害 戌の満水とは、どんな水害だったのでしょう。 1742年(寛保2年)7月末から8月(旧暦)にかけて台風によるとみられる大雨による水害です。この年は「壬戌(みずのえいぬ)」、江戸

    千曲川流域で277年間、受け継がれてきたこと - 黒沢大陸|論座アーカイブ
    MyPLB
    MyPLB 2019/10/18
    「戌の満水」「いつかは再来する過去の大災害を思い出し、「今日がその日」と強く認識することが、自分だけが大丈夫だと考えてしまう「正常化の偏見」から逃れる手段かもしれません」
  • 植物学者が突き止めたサツマイモの秘密 - 鳥居啓子|論座アーカイブ

    植物学者が突き止めたサツマイモの秘密 「天然」の植物にとっての「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集」 (2) 鳥居啓子 テキサス大学オースティン校冠教授 名古屋大学客員教授 「遺伝子組み換え作物=GMO」という言葉にどのようなイメージを抱くだろうか。 ハワイのパパイア産業を救ったウイルス抵抗性を持つパパイア。発展途上国の貧困児童の失明を防ぐと期待されたビタミンAを蓄積するゴールデンライス(黄金米)。巨大企業が開発した除草剤耐性を持つトウモロコシ。いずれも、様々な目的のために科学者たちによってつくられた外来DNAを持つ人工の作物である。しかし、実は、植物の遺伝子組み換え自体は、われわれ人間のあずかり知らぬ自然界で日常的に起こっている。 シリーズ第1回では、卓に上る野菜の多くは突然変異体であり、人類の長い歴史の中、選抜改良され今日の姿となったことを、アブラナ科の野菜を例に解説した。第2回は、自然

    植物学者が突き止めたサツマイモの秘密 - 鳥居啓子|論座アーカイブ
  • 大学を災害が襲うとき(1) - みわよしこ|WEBRONZA - 朝日新聞社の言論サイト

    2018年9月6日、北海道胆振東部地震が最大震度7の揺れをもたらした時、幼稚園・小学校・中学校・高校は「夏休みが明けたばかり」というわけではなかった。冬の厳しい北海道では、もともと学校の冬休みが関東以南に比べて長く(2018年度予定では12月23日~1月8日)、夏休みは短い(2018年度は7月25日~8月18日)。地震当日の6日は、小・中・高などの公立学校1891校が休校または短縮授業となった。公立学校の約90%で、通常の授業を行えなかったことになる。週明けの10日、公立学校の約90%で授業が再開されたが、「給の提供が困難なため午前中のみの短縮授業」という学校も多かった。 一方、大学の多くは夏休み期間だった。州以南でも多くの大学が夏休み期間だが、北海道でも夏休みが「もうすぐ終わる」という時期だった。これを「幸いにも」と見るか「不幸にして」と見るかは、見る人の置かれた状況によって、また大

    大学を災害が襲うとき(1) - みわよしこ|WEBRONZA - 朝日新聞社の言論サイト
    MyPLB
    MyPLB 2018/09/25
    途中までログインなしで読める。大学講義の15回縛りは、東日本大震災の際の通知で、期間は弾力的に運用してもよいと有名無実化されたけれども、依然として「やはり地縛霊のように、各大学の呪縛でありつづけている」
  • 海賊版サイトへのアクセス遮断は是か非か - 曽我部真裕|論座アーカイブ

    海賊版サイトへのアクセス遮断は是か非か まず現行法で可能な法的措置を再精査し、自主的取り組みの推進を 曽我部真裕 京都大学大学院法学研究科教授 すでに広く報道されていることであるが、4月13日、政府の知的財産戦略部・犯罪対策閣僚会議(以下、単に「知財部」)において、「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」が決定されたことが波紋を呼んでいる。そこでは、コミック等を中心に、無断でコンテンツを無料配信する海賊版サイトが「漫画村」はじめ3サイト名指しされた上で、その被害が深刻であることから、「法制度整備が行われる間の臨時的かつ緊急的な措置」として、一定の要件のもと、プロバイダ(インターネット接続事業者、ISP)がこれらの3サイトへのアクセスを遮断する措置(ブロッキング)を行うことが必要であり、法的にも可能であることが示された。今後は、知財部の下に協議体が設置され、法整備が検討される

    海賊版サイトへのアクセス遮断は是か非か - 曽我部真裕|論座アーカイブ
    MyPLB
    MyPLB 2018/06/07
    プロセスやチェック過程を回避しようとする点で、法治主義からの逸脱/緊急避難構成の功罪/突発的に生じた現在の危難状況において、重要な法益を保護するためにやむなく行った行為を刑事免責するための法理
  • 1