「療養病床の削減計画を凍結する」と民主党のマニフェストにあり、長妻昭厚生労働相は改めて「凍結」を表明した。しかし、それでは医療が必要ない多くのお年寄りを病院に閉じこめておくことになる。どうして脱社会的入院の流れをせき止めるのか、理解できない。 療養病床は、70年代後半から増えた老人病院を前身とし、現在は医療保険を財源とする25万床と介護保険の13万床が存在する。06年、自民党政権は介護療養病床を全廃、医療療養病床を約22万床(当初は15万床)に削減する計画を発表した。それに対し「介護難民があふれる」「医療のない介護施設では不安」などの批判が起こり、民主党は削減計画を凍結する旗を立てたのだ。 しかし、療養病床を削減するといっても、閉鎖して入所者を追い出すわけではなく、特別養護老人ホームや老人保健施設などへ転換させようというのである。そのために施設基準を緩め、税制優遇や各種助成金もある。医療が