■不都合な真実 『不都合な真実』と言えば、アル・ゴア元米国副大統領が出演し、地球温暖化問題を喧伝する映画であり、出版された本のタイトルだ。二酸化炭素はじめ、様々な温暖化物質の排出増大によって引き起こされる気候変動の危機を問い、当時非常に話題になった。(もっとも、その後、データの誤りを指摘されたり、地球温暖化の二酸化炭素原因説自体に反対する説等も出て、今では話題としても政治的な取り組みとしても、すっかりトーンダウンしてしまった。) ■資本主義の『死』 だが、現代には、ある意味もっと深刻で、かつ、逃れることができない『不都合な真実』がある。それを教えてくれたのは、元三菱UFJモルガン・スタンレー証券でチーフエコノミストをつとめ、現在日本大学国際関係学部教授の職にある、水野和夫氏の一連の著作だ。水野氏は、『16世紀以降現代まで続く資本主義というシステムそのものが終焉に向かいつつある』、という。世