本企画は2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに生まれました。あの頃、誰もがテレビで流れる被災地の光景を見て自分が力になれることはないか? と自問しました。特に映画を含めたエンターテインメント業界は自粛を求められ、無力さを痛感した人も多かったと思います。それでも映画の力を信じて向き合ってきた人たちがいます。彼らの10年の軌跡と、そして彼らから見た10年の変化を語っていただきました。(取材・文:中山治美) 1.映画館のない地域で無料上映会を続けること延べ900回 2.地元テレビ局の責任と使命を問い続ける 3.情報弱者を出さないために…耳のきこえない人たちから見た社会の変化 4.「作品」を通して、震災を語り継ぐ試み 1.映画館のない地域で無料上映会を続けること延べ900回 陸前高田市下和野団地集会所での無料巡回上映会の様子。(写真提供:櫛桁一則) 櫛桁一則さんは全国でも珍しい、市民活動に